「社史をつくるのは今回が初めてで、これまで会社としては社史制作をすることになるとはほとんど考えていなかったため、資料が非常に不備な状態です。これから鋭意集めていかなければならないのですが、そもそも社史づくりの資料としてはどんなものがあるのでしょうか。」
昔は社史をつくるのは特別な歴史のある大企業などで、社史編纂といえば専従のセクション「社史編纂室」を設けて日常的に資料保存をしていたものです。最近は会社規模にかかわらず社史制作は広く行われるようになりましたが、昭和20年代や30年代、40年代の創業期やその後の発展期にはまだ社史制作など念頭にもなかったというケースが大半なので、どうしても資料が不足がちで、ご相談を受けることがよくあります。特に過去一度も社史制作をされておらず、今回初めてという場合にはほとんどのお客様から同様のお尋ねを頂きますので、まずは定番ともいうべき資料の種類を知っていただき、こういうものを念頭に置いて取り組んでいただきたいと思います。以下に列挙します。
各期の業績や事跡、経営環境などが記録されており、中心的な資料となります。
その時々の経営の課題や大きな出来事が取り上げられており、時代の空気が分かります。また、職場の状況なども細かに紹介されている場合があり、社史のためには第一級の資料となります。
社内報を制作していない会社でも、社長の年頭訓辞などを社内文書として配布しているケースは多々あります。また、中長期計画の立案や進捗状況を示す文書、研修・社内教育に関わるもの、福利厚生関連情報など、総務関連文書は社史資料の宝庫ともいえます。
叙勲など栄典授与にあたっては功績調書が作成されます。個人の業績として、会社の歩みがわかりやすくまとめられていることが多いので原稿作成に役立ちます。
PR誌が発行されていれば、発行当時における重点施策や経営方針をうかがい知る貴重な資料となります。また、マスコミに取り上げられた記事とか、業界紙における社長インタビュー記事、新製品紹介記事などは社史に大いに活用できます。
業界全体の歴史を知り、また時代時代の課題を知る上で基礎的な資料となります。
※その他、以前出された社史、経営者や社員の日記、日報、レター類、写真類、会社案内パンフレット、電話番号変更のお知らせハガキ、社屋移転の挨拶状から古い社用封筒にいたるまで、「歴史的価値」をもつ断片的資・史料の収集も、良い社史をつくるための大切な要件となります。