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社史編纂・記念誌制作

社史・記念誌の参考文例集

祝辞


 創業100周年おめでとうございます。諸先輩方多数おられますところ誠に僭越ではございますが、OBの一人としてご祝辞を申し上げます。

 私は、昭和35年4月に入社いたしました。六十年安保問題で世情騒然としている最中でありました。入社後は約半年間、研修として現場を体験し、以後約3年間は営業に携わりました。それ以降は退職まで40数年にわたり、経理、総務畑一筋に歩み、三代の社長にお仕えしたわけであります。微力ではございましたが、半世紀近くもの間、一つの業務に打ち込んで社の仕事を支えることができましたたことを大変幸せに思っております。

 入社以後の会社の歴史を振り返りますと、昭和39年の東京オリンピック関連工事が、社にとっての大きな節目になったと思います。
 これは、社にとって二つの意味での脱皮への契機でありました。一つは代々木のオリンピック施設関連工事を手掛けたことで、わが社の社名と実力を世の中に大きく認知されはじめたこと。もう一つは、オリンピック直後に到来したいわゆる「五輪不況」を克服するために、お客様を官公庁から民間へと切り替えて行くきっかけとなったことであります。

 その後、大阪万博関連で盛り上がったあと、石油危機を経て高度成長は一段落ということになりました。完成工事高は順調に推移したものの、経理的には苦しい局面が続きましたが、幸い、昭和60年以降は、バブル景気も手伝って財政面の改善が急速に進みました。  そしてバブル崩壊となり、逆風にさらされることになりましたが、一般情勢混乱の中でも当社は大きな影響を受けず業績堅調を保って今日に至っております。

 その背景には、社会の変化ということを常に見越しながら堅実経営にこだわり続けてきた当社の基本姿勢があります。そして、このことの根本は、創業以来、技術の高さに常にこだわり続け、信用と信頼を最重視してきた当社の経営理念にあったことが、社を離れた今となって改めて痛感されるのです。
 現社長も、この伝統を堅持しつつ、その上に新たな挑戦を積み上げようとされていると聞いており、誠に心強く感じております。

 一つの会社が100年間、一世紀にわたって存続し、成長を続けていくことは並大抵のことではありません。しかも大手系列に属さない厳しい道を貫きながら、業界内で揺るぎない地位を築きつつ、多くの社員と家族の生活を守り続けていることは、誇るに足ることであると、OBとして明言させていただきたく思います。

 今後も、この伝統を引き継ぎつつ、独立系の強みを生かした力強い会社として、輝かしい未来を拓いていかれることを切に願っております。


○年○月○日
元専務取締役 ○○○○