自費出版-社史・記念誌、個人出版の牧歌舎

エッセイ倶楽部

牧歌舎随々録(牧歌舎主人の古い日記より)

042.

権威とは、必ず暴力的なものによって裏付けられているのである。つまり、それに抵抗することは、何らかの暴力的な力による報復を究極的には覚悟せざるをえないようなものこそ、権威なのである。政治的な権威、学問的な権威、何にしろ、権威が権威であるためにはそこに暴力的裏付けがあるのであり、これを否定するためには、より大きな、最終的には暴力的な力を自発する何ものかが必要になる。形式やこけおどしでない、そういう暴力的実質をもってこそ権威であり、権威に対抗するものでありうるというわけである。いわゆる真理の力も、これを否定する者に対する潜在的報復力であり、そうあってこそ真理であり、権威であるのである。

1998.03.08